スペイン北部地方のワイン

ナバーラを代表する「自然派ワイナリー」

スペイン北部ナバーラ州、ディエッリに位置するワイナリー。
歴史的バスク地方だった地域で、ワイナリー名はバスク語で「最適の時」を意味します。

1世紀からローマ人がワインを醸造・保存していた地域で、当時の醸造施設が発掘されています。 ぶどう作り・ワイン醸造の歴史が古い地域だからこそ、多くの古樹が残っていましたが、スペインの経済成長期 (’70〜’80)にかけて多くのぶどう畑が穀物畑に形を変えてしまいました。
1998年以来、アロアはこの地域が本来持っていたぶどうのポテンシャル、ワインの味わいを表現するため、 テロワールを意識し、オーガニック、できる限り多くの工程を手作業にて行っています。

ワイナリーは標高600mの丘の上に立ち、雄大な景色が広がります。
冬は非常に寒く、夏は乾燥して暑い地中海性気候ながら、周りを囲む山脈から多少の大陸性気候が交じり合う地域です。
畑は7区画に分かれた20ヘクタール、カルシウム粘土質の土壌で、日夜の気温の差が激しいことから、 ポリフェノール豊かなぶどうが栽培されます。

オーナーのイニャキさんは、世界のオーガニック食品を販売する事業を行っており、1998年にこのワイナリーをオープン。
オーガニックのぶどう栽培、人間の手によるワイン醸造にこだわり、現在ではナバーラを代表する自然派ワイナリーとして 知られています。
畑は整然と並びながらも、畝には自然の草を生やし、土の湿度・温度を調整するほか、 土中の虫をぶどうから離す役割を与えています。
ワイナリーから畑に下りる道にはオリーブの樹やラズベリー、ブラックベリーの樹が並び、 家庭用にオイル、ジャムを作っているそうです。

オーガニックぶどう栽培では動物が畑を耕すのに利用されたりすることがありますが、 アロアの畑には合わないとし、手作業で土を掘り返します。
収穫期は果実の皮の厚さ、種の成熟具合から判断し、それぞれの品種ごとに最適の日に収穫されます。
できあがったワインが並ぶ樽を2段以上積まないのは、人の力で動かすことのできる量だから。

木材の屋根にガラス張りのモダンな建築ながら、その屋根は天気によってさまざまに色を変え、 ガラスが回りの景色を映し出し、自然に溶け込むデザインとなっているワイナリーはイニャキさんの信念が 表現された非常に美しい建造物です。

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